IELTS(アイエルツ)とはInternational English Language Testing の略で 、オーストラリアやニュージーランド、イギリスの高等教育機関や専門学校への進学を目指す場合、又は、オーストラリアへの移住を希望している人の英語力を証明するものとして提出が求められる英語検定のひとつです。
IELTSはTOEFLやTOEICなどのテストと違い対策の効かないテストとも言われており、ケンブリッジ英語検定に次いで世界で2番目に難しい英語テストと言われています。
このテストは、1度受験すると次のテストまで3ヶ月空けねばならないので、事実上年に4回しか受験できません。 受験のタイミングも十分に考慮に入れないと、希望する入学時期に間に合わず、入学を1年延期ということにもなりかねません。
試験は、総合力の他に、「聞く」「読む」「書く」「話す」リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの各分野を1.0 から9.0の得点で表示します。試験の結果は、2週間位で郵送で届きます。Emailでの結果の問い合わせは行われていません。
最近でこそ、IELTSとTOFELのどちらのスコアも認める学校が増えてきているが、IELTSが主流であることに変わりはない。イギリスの高等教育機関では、実践的・職業的プログラムよりもアカデミックなプログラムに重きをおく傾向が強く、英文を学術的に書く能力が求められる。
そのため、記述式のIELTSのスコアを上げるための勉強が、イギリスの大学などで学ぶ際の助けになると考えるのがよいだろう。
IELTSは、全国6ケ所にあるブリティッシュ・カウンシルで受験できる。場所により、月2回〜年4回の頻度で行われているが、再受験するためには前回の受験から90日以上経過している必要があるので、ブリティッシュ・カウンシルが行う模擬試験などで試験に慣れるなど、試験準備を入念にして、スコア・アップを図ること。
IELTSの出題範囲から傾向と対策まで。
IELTSは世界各国で認められており、試験は世界106カ国で受けることができ16歳以上なら誰でも受験出来ます。 試験を受けてから2週間以内で結果はわかります。
英語を母国語としない方を対象に、全般的な英語検定を審査する検定試験です。オーストラリアの専門学校、大学、大学院への入学時や、永住権申請時などに必要となり、オーストラリア国内ではもっとも普及しているテストです。
総合評価で点数が決まるので、偏りのない総合的な英語力を判断できるのが大きな特徴です。
試験時間は約3時間弱です。読む力、聴く力、書く力のテストがあり、インタビューで話す力を審査します。
オーストラリア教育機関が求める最低必要レベル
大学 |
6ポイント以上 |
|
5.5ポイント |
高校のシニア部 |
5.5ポイント |
10年生(高校1年に相当) |
5ポイント |
この英語検定では、4つの機能の総合の平均が5.5ポイントあたりの生徒ならば、11年生に入っても、授業がまがりなりにも理解でき、宿題のエッセイが何とか書け、授業中のディスカッションに参加できるだけの力があると判断されます。
つまり、英語を媒体として学習できる状態にあるということです。
4.0ポイントあれば一般の日常会話であれば理解し自分の意図も伝えることができると評価されます。
受験の注意点
検定では、進学目的で受験するAcademic Moduleアカデミックテストと、会社研修用もしくは移民目的にて受験をするGeneral Trainingジェネラルテストとに分かれています。アカデミックテストを受けなければならないTAFEや大学へ進学を目指している学生が、General Trainningジェネラルテストを受験してしまうと、試験結果を有効に評価されない場合があります。ご注意下さい。
IELTS試験のもう一つの特徴は試験を一度受験すると、その日から3ヶ月以内は次のIELTS試験を受験できません。
計画的にIELTSの英語検定を受ける必要があります。
試験課題のWritingではすこしでも曖昧なスペルなどを記入すると、採点対象外になることがありますから、採点者が間違いなく読めるように記入しましょう。
IELTS検定結果の有効期間は2年間です。
General
(一般英語) |
主として、オーストラリアへの永住希望、オーストラリアの各種専門学校やTAFEへの進学を希望している方(5.0から6.0が必要) |
Academic
(学術英語) |
海外留学生がオーストラリアの大学又は大学院へ進学する為のものです。大学進学(法学部、医学部等の高度な専門用語を要する学部については、一般的に6.5以上)には、一般に6.0から6.5が必要です。但し、各大学によって合格基準が定められています。 |
テストの種類
IELTSのテストは2種類用意され、目的に応じて受験する必要があります。試験方法に代わりはなく、違いはReadingとWritingに関して一般英語用か学術英語用か選ぶことができるという点です。
テスト名 |
目的 |
学術英語
(Academic English) |
|
一般英語
(General English) |
移住
トレーニング
企業研修 |
留学生の場合、大学、大学院、TAFE、専門学校への進学を目的としているのであれば学術英語(Academic English)を。移住などを目的としているのであれば、一般英語(General English)を選ぶことになります(※ただし、例外もあります)。
Academic Englishの方が試験内容としては若干難しいという話しを聞きますが、進学が目的であるにも関わらず一般英語検定試験を受けると、結果を認めてもらえない場合がありますから、注意して下さい。
受験料
受験料はそれぞれ受験する国の通貨で支払う必要があります。支払いは銀行への振り込みのみで、試験会場で直接支払うことはできません。
受験する国 |
受験料 |
オーストラリア |
242ドル |
日本 |
21,000円 |
申し込み方法と締切日
申し込み方法は、FAXやオンラインでは一切受け付けていません。専用のフォームに記入の上郵送で申し込む必要があります。締切日は基本的には英語検定当日1ヶ月前になり、申込者が多数の場合、定員になり次第締め切りとなります。
試験方法とスケジュール
試験方法はListening(聞き)、Reading(読み)、Writing(書き)、Speaking(話し)の4科目を行い、総合的な英語力のほかに各分野の能力を最も低い1から最高得点の9まで0.5刻みで表示します。
試験内容 |
問題数 |
時間 |
Listening |
40問 |
30分 |
選択問題、穴埋め問題などが出題されます。
テストが開始される前に 問題を読む時間があります
休憩 5分
試験内容 |
問題数 |
時間 |
Reading |
40問 |
60分 |
選択問題、穴埋め問題、簡単な文章での解答する問題などが出題されます
休憩 12分
試験内容 |
問題数 |
時間 |
Writing |
2問 |
60分 |
一般英語と学術英語のどちらを受けるかによりテーマが異なります
様々な分野のテーマが文章の課題として出ます。その時々のテストにより異なります。
休憩 30分
試験内容 |
問題数 |
時間 |
Speaking |
未定 |
10〜15分 |
Speakingのテストは問題数が決められておらず、10-15分間のうちにいくつか質問が投げかけられます。
趣味、文化、家族につい て、その他様々な分野の 質問がなされます。試験官によっても質問内容が異なるようです。
傾向と対策
Listening |
試験傾向は日常会話からアカデミックな内容まで、英語の聞き取り能力が試されます。 |
試験の形式 |
試験時間は30分。あらかじめ録音されたテープを30分間聞き、約40問の質問に答える。回答は、試験に当って配られるブックレットにメモし、試験終了後、10分の時間が与えられ、この間に答案シートに書き写すことになっている。
|
内容と傾向 |
関連性のある4、5の文章(それぞれ1分程度)またはもっと長いひとつの文章(4、5分程度)を1セクションとして、4セクションで構成される。
試験の前半では日常会話レベルの問題が出され、生活するのに必要な英語のリスニング能力の有無が測られる。後半では、学習したり職業訓練を受けたりする環境で話される英語を理解し、自己の目的(知識や技術の習得など)を遂行できるかどうかが評価の対象となる。問題は後半に行くにしたがい難しくなる。 |
攻略のポイント |
リスニングの傾向としては、predict(予測)する力と guess(推測)する力がIELTSでは必要になります。問題文を一字一句聞くのではなく、全体の構造を理解することが大切。
会話や文章は録音テープから1度しか流されないが、質問を聞き漏らしてしまったからといって、決してあわてないこと。テストの流れにおいていかれないように注意。
|
Reading |
留学中に読むことになると思われるタイプの文章の読解力が試される |
試験の形式 |
試験時間60 分。4つほどの出題文に関し、全部で40 の質問に答える。Academic moduleの場合、出題分の長さは、1,500
〜 2,000 語(長さは出題によって幅がある)General Training Moduleは、これより短かめになる。 |
内容と傾向 |
出題形式は、出題文や図表のブランクを埋める穴埋め問題、文章完成問題、多肢選択問題、質問文に対する答えを記述するもの、出題文や図表に見出しをつけるものなどさまざま。
リーディングのセクションでは、英語の文章を読む能力だけでなく、多くの情報の中から必要な情報を素早く正確に読み取る能力が試される。使われる文章は一般教養的なものがほとんどで、専門的知識が要求されるものは出題されない。ただし、文章は後半にいくにしたがって難しくなる。通常、論理的かつ詳細な議論を含む出題文がひとつはいる。
|
攻略のポイント |
リスニング同様、リーディングで必要なのはpredict (予測)する力と guess(推測)する力。問題文を一字一句読むのではなく、全体の構造を理解することが大切。 |
Writhing |
英語で、正確かつ論理的に書く能力が試される |
試験の形式 |
試験時間は60分。2つのライティング課題が与えられる。時間配分は各受験者に任される。リーディングのセクションと同様、Academic
module と General Training Moduleでは課題が異なる。 |
内容と傾向 |
ひとつめの課題は、グラフや図などで与えられた課題を整理し、記述するもので、20分をめやすに150 語以上の文章にまとめる。受験者はデータをまとめたり比較しながら、物事の進行具合やその結果がどうなったかについて英語で表現する力が評価される。
ふたつめの課題は、与えられた主張に対して、自分の意見を述べ、論証する課題。40分くらいの間に 250語以上の文章を書かなければならない。
前者の課題は、客観的な記述、後者は主観的な論証と考えるとわかりやすいだろう。 |
攻略のポイント |
出題される2問は、選択の余地はなく、いずれの問題も制限時間内に答えなければならない。多くの日本人が苦手とする分野。ふだんからの勉強により大きく差がつくセクションともいえる。試験にあたっては、時間配分をまちがえないことも重要。 |
Speaking |
口頭での英語運用能力が試される |
試験の形式 |
試験時間は12 〜 15 分。1 対 1のインタビュー形式で行われ、試験管の指示に沿って、試験が進行される。インタビューの様子は録音されるが、これは試験管の主観で判定にばらつきが出ないように再審査用に備えるためである。 |
内容と傾向 |
スピーキングのセクションはさらに5つのセクションにわかれている。第1、第2のセクションでは、簡単な自己紹介と受験者自身の日常生活や出身国の文化などに関する質問に答える。
第3セクションでは、渡されたカードの指示に従って、試験管に対して質問することを求められる。第4、第5のセクションでは、今後の学習計画などを述べ、質問に受け答えをする。退室の挨拶までは、評価の対象となる。
流暢かつ正確にコミュニケーションがとれるかどうかが測られるが、試験管は、あらかじめ準備した答えを言えないように話を先導することになっている。 |
攻略のポイント |
緊張は禁物。日頃からリラックスしたムードで英語で話す練習を積んでおくことが大切。試験管の質問がわからなかった場合もあわてず、もう一度質問してくれるように頼めばよい。すぐの答えが見つからない場合も、黙り込むのではなく、試験管に少し待ってくれるよう頼もう。
|
IELTSの採点基準
リスニング及びリーディングのセクション
1問1点として計算された合計点を、あらかじめデータを採って作成されているテーブルにあてはめ、バンド数(0〜9.0)に換算する。 |
ライティングのセクション
採点基準は細分化されているが、時制の一致などはいうまでもなく、語彙力や文の構造がいかにバラエティに富んだものなのか(たとえばSVOの構文だけでなく、分詞構文、受動態、不定詞構文なども使われているか)、また欧米の標準的文章スタイルを採っているか(Introductionがあり、Topic Sentence を含んだ Body があり、Conclusionがあるかどうか)といったことを総合的に英語検定では評価される。250語以上書く2番目の課題のほうが、評価の比重が高くなっている。
|
スピーキングのセクション
質問に対してその答えを論理的に述べているかどうか、試験管の言っている意味が理解できないときにも沈黙せずに質問する等して会話をつづける能力があるかどうか、などが大切なポイントとなる。
流暢に話せることも重要だが、一方的な会話の運びにならないように気を配ること。会話中の文法的な誤りや時制の一致といったこともチェックされ、総合的に評価される。 |
|